修学旅行

7月11日(火)から14日(金)の4日間、中学部第2学年・第3学年合同で函館市に行ってきました。今回の修学旅行のテーマは海町に合わせて、「柊侑人丸~俺たちの兄弟船~」とし、3人で協力し荒波(大きな課題)も乗り越えていくことを目標としました。

旭川市から函館市までの移動にかかる時間は6時間。札幌駅でJRを乗り継いで向かいます。JRの中では、トランプやUNOで盛り上がっただけでなく、函館検定(旭川聾学校修学旅行バージョン)や数学の勉強に取り組み、あっという間に函館市に到着しました。

函館市に到着後は、急な豪雨に見舞われ、ゆっくりと五稜郭公園を見て回ることができませんでした。しかし、五稜郭タワーから函館市内の景色を楽しんだり、手相占いを楽しんだりと、思い出を作ることができました。悪天候により、予定していた函館山からの夜景鑑賞は延期となりましたが、夜はゆっくりと豪華バイキングと温泉やサウナを堪能することができました。

2日目も朝から天気に恵まれず、傘を差しながら自主研修がスタートしました。事前学習では、函館聾学校との交流で教えてもらった名所にも行きたいと、研修計画を何度も修正していました。
3人で協力して計画を立てた自主研修ですが、いざ研修が始まると思い通りに進まず、何度も課題に直面したようです。しかし、その都度、3人で相談し、計画を修正することで、より学びの多い自主研修になりました。昨年度の宿泊研修の反省を生かし、先生に頼らず3人で力を合わせて問題を解決することができました。
生徒たちの努力する姿は、天気の神様(校長先生)の心も動かしました。次第に天気が回復しはじめ、函館山からの夜景観賞にも希望が見えてきました。天気の神様の力は絶大で、夜景観賞中だけは霧が晴れ、素晴らしい夜景を見ることができました。

3日目は函館市内で3つの研修を行いました。1つ目の研修は、真言宗のお寺での「瞑想体験」です。生徒たちは、空海の教えを知り、姿勢正しく瞑想に取り組みました。学校に戻ってからも、時折集中力を高めるために瞑想している姿も見られます。
2つ目の研修は「レザークラフト」です。3人とも思い思いの作品を作成し、個性が光る世界で一つだけのキーホルダーが完成しました。レザー用のインクをこぼしてしまった生徒もいましたが、失敗を生かした作品を作ろうと集中して作業に取り組み、素晴らしい作品を生み出すことができました。まさに、「失敗は成功のもと」です。
3つ目の研修は「サンドブラスト」です。夜に予定しているミーティングで作品の鑑賞を行うために、先生方も一緒にグラスを作ったのですが、瞑想の効果からか、作業への集中力が高まっており、全員が黙々と作業に取り組んでいました。函館での思い出をグラスに表したり、願いを込めたりと、全く異なる6つの作品が仕上がりました。
昼食には、楽しみにしていた「ラッキーピエロ」のハンバーガーを食べ、夕食にはバイキングのカニや塩ラーメンを食べ、函館市の“食”も楽しんだ1日となりました。夜には、函館聾学校の先生方からいただいたお土産をつまみに、作ったばかりのグラスで宴を開き、賑やかな1日となりました。

4日目は、生徒3人からの願いを受け、早朝から海岸を散歩することとなりました。初めて海で遊ぶ生徒もおり、海の匂いや砂の感触、そして波の動きに感動していました。突然襲いかかる波に靴を水没させてしまう人もいましたが、全て含めて良い思い出になりました。
最後の研修は、朝市の見学です。朝早くから賑わっている朝市は迷路のようになっており、なかなか目的のイカ釣り場にたどり着くことができませんでした。無事にお店にたどり着き、代表の生徒が大きなイカを狙って釣り上げてくれました。海鮮が苦手な生徒もいたはずなのですが、あっという間にイカを平らげていました。

3泊4日の修学旅行ですが、旭川に帰ってきた生徒たちの表情は、また一つたくましく成長したように見えました。苦手なものを克服したり、未知のことに挑戦したり、集団の中で自分の役割を全うしようと努めたりと、恐らく自分でも達成感を感じられたのではないかと思います。これからの生活にどのように生かされていくか楽しみです。